日興エボナイトの万年筆

「エボナイトを、広く愛される素材に」という想い。
「日本の誇る、ろくろ技術を後世に残そう」という想い。

このふたつの想いから2009年に始まった、弊社の手作り万年筆事業を紹介します。

伝承されずに消えつつある「ろくろ挽き」*の技術を後世に残そうと、日興エボナイト製造所は万年筆作りを始めました。

手作りエボナイト

マーブルエボナイト世界に誇れるエボナイトを、と代々蓄積されたノウハウをエボナイト作りに生かしています。
今は美しいカラーマーブルエボナイトの作成に注力し、次々と新しい世界観のある新色を生み出しています。
(写真は「楓山(ふうざん)」。秋の始まる頃、
まだ青い葉の残る、紅葉した楓の山をイメージして作た素材です。)

また、美しいだけではなく、多様な成分の配合レシピ、成型方法の研究など、万年筆として使用されることを考慮し、機能と外観の両面で愛用頂けるエボナイト素材作りに努めています。


エボ屋の使命感

エボナイト製造メーカーである当社が、万年筆を作り、販売するということには、大きな使命感と意味があります。

東京の城東城北地区はかつて、多くの万年筆メーカーがあり、万年筆職人が活躍していました。
日常使う文房具として万年筆が使われていた時代の話です。

今となっては、万年筆の用途が狭まり、そのようなメーカーは大手企業を残してなくなりました。
エボナイトで、ろくろ*を用いて、軸を成型するには熟練の技が要りますが、その職人も非常に少なくなりました。
また、万年筆の要であるペン先の書き味を調整する技術も同様です。
薫風「万年筆ブームが来ている」と言われますが、職人の世界には高齢化の波が来ており、深刻な後継者問題と常に向き合っています。
弊社では、東京の職人たちの、優れた、しかし、廃れる寸前の万年筆の技術・万年筆の文化を後世に継承することを使命とし、数少ない東京の万年筆職人を指導者に迎え、若い職人を育成しました。
また、弊社が万年筆を作り、販売し続けることで、更に次の世代へ技術を繋いでいくことを意味します。

こうした想いを込めた当店の万年筆。
他の万年筆にはない風合い、こだわりを皆様に感じていただければ幸いです。

下町のエボ屋さん=笑暮屋=Ebonize your life!!
→http://eboya.net/

*【ろくろ挽き】

ろくろ「手作り万年筆」を作るのに欠かせない「ろくろ」。古くは漆器の木地職人やこけし、かんざし作りで培われた技術です。近代日本の万年筆製造は盛んで、1940年頃の日本の生産量は世界の約半数を占めていました。しかしボールペンの登場で、万年筆の消費量とともに職人の数も激減しました。

Copyright(c) 2015 Nikko Ebonite Mfg. Co., Ltd. All Rights Reserved.